仕事に行きたくないときに身体の中で起こっていることと、その対処法について簡単に解説しています。
朝起きたときにときどきありますよね。
「うわー、今日仕事行きたくねぇー。」
という日。
私はほぼ毎日ですけど。
月曜日の朝なんて特にそうです。
ベッドの中で今日の仕事の予定なんかを反芻して、「やっぱり行かなきゃ」とさらに憂うつな気持ちになったり。
「考え方を変えればいい」
とか言いますが、そんな簡単に考え方なんて変えられないし、抽象的すぎてひまひとつどうしていいか分かりませんよね。
でも、実は、それ、ただ体内の「ある物質」が足りていないだけかもしれません。
仕事に行きたくないとき、こんな症状出てませんか?
朝起きて、「仕事に行きたくない」と思っている方は、もしかして、最近こんなことはありませんか?
- 身体がだるい
- あまり食欲がない
- 眠れない
- 寝て起きても疲れが取れない
- 頭痛が増えた
- 肩が凝る
もし、心当たりがあるのなら、自律神経が乱れているのかもしれません。
自律神経の乱れって何?
「自律神経」は、自分の意志とは無関係に自動的に身体の機能を調整してくれている神経です。
自律神経は、更に「交感神経」と「副交感神経」に分かれます。
- 心拍数を増やす
- 血管を収縮させて血圧を上げる
- 消化器の働きを抑える
など、心身を緊張させる方向へと働きます。
交感神経とは逆に、
- 心拍数を減らす
- 血管を広げて血圧を下げる
- 消化活動を活性化させる
など、心身をリラックスさせる方向へと働きます。
この2つがバランスよく働いている状態が望ましいのですが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、副交感神経の働きが低下してしまいます。
自律神経が乱れる主な原因は身心への過度なストレスです。
自律神経の乱れは気持ちにも影響する
自律神経の乱れは、身体だけでなく、気持ちにも影響を与えます。
自律神経が乱れることで脳内伝達物質の「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」の分泌量のバランスも崩れます。
ドーパミンとノルアドレナリンの分泌が増え、反対にセロトニンの分泌量が減ります。
このセロトニンが減るというのが、「仕事に行きたくない」気持ちの最大の原因である可能性が高いんです。
ちなみに「ドーパミン」は「快楽」に働く脳内物質で、喜び、楽しみ、幸福感を感じさせ意欲をおたらす働きがあります。
「ノルアドレナリン」は「不快」や「恐怖」に働く脳内物資で、緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝とうとするときに働きます。
セロトニンが減るとどうなる?
セロトニンの役割
セロトニンは、「心のバランスをとる」「覚醒作用」といった役割があります。
心のバランスをとる
簡単に言うとセロトニンは、憂うつな気分や不安な気持ちを和らげてリラックスさせ、心の平穏を保ってくれています。
「楽しい」、「悲しい」など、快、不快に関わらず、発生した感情を全部いちいち受け止めていると、心(というか脳)は反応しきれずにパニック状態になってしまいます。
セロトニンの分泌量が増えると、大脳辺縁系の活動が安定して、感情の優先度を切り分け今やるべきことに対処できるようになります。
これによって、適度にリラックスして平常心を保ったまま感情と向き合うことができるんです。
穏やかな覚醒をもたらす
朝の目覚めにもセロトニンは重要な役割を担っています。
睡眠中、セロトニンの分泌は抑制さえられていますが、朝が近づくと少しずつ分泌量が増えていきます。
セロトニンがきちんと分泌されれば、血圧や呼吸、心拍が活動的になるので、すっきりと目が覚めて意識がはっきりしていきます。
セロトニンが不足すると
ですので、セロトニンの分泌量が減ると、憂うつな気分がいつまでも解消されず、やる気もなくなり、感情と冷静に向き合うことができなくなります。
普段なら冷静に受け流せるストレスに過剰反応してしまい、やたらと衝動的になったり、悲観的になったり、精神が不安定になります。
感情のブレーキもかからないので、一度憂うつな気分になるとそれが継続されてしまうのです。
また、心のバランスが取れず緊張状態が継続するため、リラックスできずなかなか寝付けなくなったりします。
セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」を生成するための材料にもなるため、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠の質も低下させます。
睡眠の質が低いため、それにともなって朝の寝起きも悪くなります。
「仕事に行きたくない」憂うつな気分で身体がだるいのが、ただのセロトニン不足なんだとしたら、足りない分を補えばいいだけですよね。
セロトニンを分泌させる方法
毎日同じ時間に起きる
最近の研究では「早寝早起き」だからといって健康で長生きできるわけではないことが分かったそうです。遅寝遅起きでもいいそうです。
早寝早起きである必要はないのですが、できるだけ毎日同じ時間に起床することが重要です。
疲れてなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くて朝の目覚めが悪かったりと、毎日バラバラの時間に起床していると、身体のリズムが崩れ、セロトニンがきちんと分泌されなくなってしまいます。
残業があったり、なかなか眠れなかったりして寝る時間はずれても、毎日同じ時間に起床するようにすれば身体のリズムは自然と整うようになり、セロトニンもきちんと分泌されるようになります。
太陽の光を浴びる
朝、網膜が光を浴びると脳が反応してセロトニンの分泌が活発になります。
これによって血圧や呼吸、心拍が活動的になり、すっきりと目覚めることができます。
目を閉じていても朝の太陽が入り込めば、まぶたをとおして網膜が光を感じるので、できたら少しカーテンを開けて眠ることをおすすめします。
一定リズムの運動
出た!運動!
という感じですよね。分かります。
ウォーキングやジョギング、筋トレなど、一定のリズムを繰り返し継続するような軽い運動でもセロトニンの分泌がうながされます。
とはいえめんどくさいですよね。
そういう方はカラオケなど、歌を歌うことでも大丈夫。
呼吸のリズムを意識しているのでこれも立派なリズム運動です。
Amazon Prime Musicなら月額400円で100万曲以上が聴き放題で、リズム運動に適したプレイリストなんかもあっておすすめです。
それから、食事をよく噛むこともリズム運動になります。
そんなことでいいのかよ!という感じですが、咀嚼も立派なリズム運動なので、ガムを噛むんでも近い効果が得られます。
グルーミング
「グルーミング」とは、日常生活でのスキンシップのことです。
恋人や親しい友人、ペットとの触れ合いで安心感を得ることでもセロトニンは分泌されます。
実は性的なスキンシップが一番セロトニンを分泌するんだそうですが、身体が触れることでもそうですし、楽しい会話をするだけでも構いません。
心地よい触れ合いであればいいので、エステやマッサージなどもおすすめです。
朝食で「トリプトファン」をとる
セロトニンは必須アミノ酸である「トリプトファン」から生成されます。
もう直接セロトニンの材料を身体に取り込んでやるわけですね。
トリプトファンは主に食品のタンパク質に含まれているので、バナナや乳製品、大豆製品、赤身の魚、赤身肉に多く含まれています。
ただし、トリプトファンの生成には炭水化物とビタミンも必須です。
また、朝食べるのが一番効果的と言われています。
ついでによく噛んで食べれたリズム運動にもなって一石二鳥です。
朝ご飯を食べる元気がないという人は、サプリでも取り入れることが可能です。
まとめ
- 仕事に行きたくないのはセロトニン不足かも
- セロトニンが不足すると憂うつでやる気がなくなって、ちゃんと眠れなくなる
- セロトニンの分泌を促すには、毎日同じ時間に起きて太陽の光を浴びる、リズム運動をする、
グルーミング、トリプトファンを多く含む食品を食べる、などが有効
仕事に行きたくないからって「やる気がない」とか「甘え」だと思って自分にがっかりする必要はありません。
実は心の問題と言いつつ、ただの脳内物質の不足という身体の問題だったりすることもあるんです。
だったら具体的に対策できそうじゃありませんか?
「”何となく”嫌だな」と思ってることの理由が分かればちょっとだけすっきりした気持ちにもなりますよね。
それでもやっぱり仕事に行きたくない
そんな日は誰にでもあるもの。
そういう日は無理せず1日くらい休んじゃいましょう。
そんな状態で仕事をしても能率は下がるだけです。
だったら「明日万全な状態で仕事をするため」の前向きな休息ととらえてしっかりと休養しましょう。
うしても仕事がつらいときは、↓こんな方法でも少し楽になるかもしれません。
