今の仕事を辞めたいと思う人の一番の理由は「仕事内容に見合った給料がもらえていない」などの「給与の低さ」なんだそうです。
次に多いのが職場での「人間関係」がうまくいかないことです。
多くの人が仕事の人間関係に悩まされていることが分かります。
どんな仕事でも多かれ少なかれ人と関わり、人間関係を構築しなければなりません。
仕事における人間関係の悩み
仕事における人間関係の悩みは人それぞれです。
- 上司が威圧的な態度で、自分のやり方に従わないと怒る。
- 上司の指示があいまいで、どうすればいいのか質問すると怒られる。
- 上司の指示がころころ変わって結果どうすればいいのか分からない。
- 他の人から自分だけ冷たく扱われる。
- 同じ仕事をしているのに、他の同僚だけが評価されている。
- こんなことを言ったら嫌われてしまうのではないかと思い、自分の意見が言えない。
- 部下・後輩が何を考えているのか分からない。
など、例を挙げればキリがありません。
しかし、仕事の人間関係の問題であなたが感じているのは、本当の不満は、「やりたいこと、なりたい自分になること」を「自分にコントロールできない他人」に邪魔されていることへのフラストレーションなのではないでしょうか。
つまり、人間関係がうまくいかないことへの悩みの本質は、人間関係がうまくいかないことで自己実現ができていないことへの悩みであると言えます。
結局のとことコントロールできない他人が絡んだ問題のようで、実のところ自分自身の問題なのです。
だからといって「あなたが考え方を変えればいいだけ!」なんて乱暴なことが言いたいわけではないので安心してください。
仕事の人間関係と普段の人間関係との違い
まず、はじめに理解しておかなければならないことは、仕事における人間関係と、友人や家族との間に築く人間関係は違うとういうことです。
多くの方が一番基本となるこの部分を勘違いしてしまうために、仕事の人間関係がうまくいかないと感じてしまうのです。
そもそも仕事の人間関係と普段の人間関係は、目的が異なります。
友人や恋人、家族と間に築く人間関係は、趣味や好みの合う自分の好きな人に囲まれて楽しく快適に生きるために築くものです。
そのために嫌いな人と付き合う必要もないですし、嫌な態度に対して変に気を使う必要はありません。
一方、仕事の人間関係は、仕事の成果を達成することが目的です。
この目的を達成するために円滑なコミュニケーションが必要なだけです。
これを混同してしまっているために人間関係にトラブルが起こってしまいます。
相手から好かれる必要はない
仕事での人間関係の目的は仕事の成果を達成することにあるのですから、必ずしも人に好かれる必要はありません。
仕事でのコミュニケーション(ビジネスコミュニケーション)は好かれるためにするのではなく、仕事の成果を達成するために行うものです。
この目的を見失い、「仕事がうまくいっているのは、人から好かれているからだ」考えて、人に好かれるためのコミュニケーションをとろうとするために、トラブルが起こってしまうのです。
友人や家族の人間関係では価値観の近い人同士が集まっていますが、仕事での人間関係では価値観が全く違う人同士が集まっています。
価値観が違うのですから、「好き」「嫌い」という観点で考えてしまうと、「嫌い」のほうが勝ってしまう可能性が高いのは当たり前なのです。
人に好かれる必要はありません。
ただし、信頼される必要があるのです。
仕事で相手に信頼されるためには
仕事で信頼される人は、「優しくていい人」ではありません。
簡単に言えば「結果を出せる人」です。
「結果」とは、仕事の実績だけを言っているわけではありません。
例えば仕事の内容の相談を受けたときに、相手も求める答えを出すことや、逆に自分が上司に新しい事業の提案をしたときに、その理由やメリットをきちんと理解してもらうことなどです。
相手の考えを正しく汲み取って、それに対して正しいレスポンスをできることが重要なのです。
例えば威圧的な態度で自分のやり方に従わないと怒る上司がいたとしましょう。
その上司が自分のやり方でやらせようとするのは、過去にそのやり方で何度も成功しているためで、態度が威圧的に感じるのは、その上司もあなたの考えが分からずに困惑しているのかもしれません。
また、他の人から自分だけ冷たく扱われるのは、あなたが気を使って上辺だけ合わせていたことで、「本心を隠して腹の底で何を考えているか分からない人」と思われてしまい、相手の態度が硬直化しているのかもしれません。
目的は「仕事の成果を達成すること」なのですから、好かれるために気を使う必要はないんです。
仕事の成果を達成するために必要なことなら、本音で話をすることが大事です。
本音と言っても、「あなたのここが嫌いだ」とか「これが不快だ」ということではありません。
あくまでも「仕事の成果を達成する」ために必要な範囲においてです。
相手の真意が分からなければ、どこが自分にとって分からないのか詳しく説明したうえで、なぜなのかをきちんとたずねてみてください。
大事なのは
- 相手の考えを理解すること
- 自分の考えを正しく伝えること
の2点です。
相手に嫌われないように気を使って、仕事の成果を達成するために必要なことをちゃんと伝えなければ、結局、仕事の達成に遠回りになってしまいます。
そうなると、あなたは「結果が出せない人=信頼できない人」ということになってしまい、仕事の人間関係がうまくいかなくなってしまいます。
どうしようもないこともある
とはいえ、あなたがどんなに信頼できる人になろうと努力しても、どうしようもないおかしな人はいるものです。
そういう人は「仕事の成果を達成すること」という目的とは違う方向に向かっています。
目的が違うわけですから、そんな人とビジネスコミュニケーションをとることは難しいでしょう。
それに対してあなたが責任を感じる必要はありません。
まずはその人を知る第三者に相談してみることです。
自分には気付いていないことに気付いていて、アドバイスしてくれるかもしれません。
「仕事の成果を達成すること」を目的にしていないわけですから、本人がそれに気づいて改善するするしかありません。
改善しなければ、いつかは会社にはいられなくなるでしょう。
ただ、上司がそんな人だったり、周りのほとんどがそんな人ばかりだったり、関係が完全にこじれてしまっていてどうしようもないなら、転職してリセットすることも一つの方法です。
転職サイトに登録してみる
人間関係に思い悩み、追いつめられてどうしようもなくなる前に、転職サイトにだけは登録しておくことをおすすめします。
例えば転職・就職最大手のリクルートが運営しているリクナビNEXTの場合、登録して経歴と希望条件を設定すると、企業側からスカウトのようにオファーがくることがあります。
今の仕事が全てではないし、いくらでも働ける場所はあるんだと実感することができて、前向きな気持ちになれるはずです。
「転職できる」という選択肢は絶対に仕事の向き合い方に良い影響をあたえるはずです。
もしかすると今と同じような仕事で、もっと条件の良い会社があるかもしれません。
実はその仕事はあなたに合っていないのかもしれません。
リクナビNEXTには、「グッドポイント診断」というものがあって、18項目の中から自分の強みを5つ細かく診断してくれます。
今まで見えていなかった自分の強みが見つかることで、本当に自分に合った仕事も見つかるかもしれません。
本格的に転職を考えるなら
本格的に転職を考えているなら、転職エージェントに登録して相談することをおすすめします。
自分の代わりに自分に合った転職先を探してくれて、採用までのスケジュール調整もやってくれるサービスです。
採用する企業側が報酬を支払っているので、求職者は無料で利用することができます。
転職エージェントは当たり前ですが転職のプロなので、転職にまつわるあらゆることを相談できます。
転職先の採用担当者には聞きづらい新しい職場環境のことも、担当のエージェントに相談すれば代わりに確認してくれます。
企業はなるべく即戦力になるような優秀な人材を採用したいので、最初に代わりにふるいをかけてくれる転職エージェントにしか公開していない求人というものが全体の約8割にもなると言われています。
なので、転職を考えるなら、転職エージェントを利用したほうが圧倒的に有利に転職活動することが可能です。
有名な転職エージェントは、
などがあります。
担当者との相性、紹介求人の内容の違いなどがあるので、なるべくなら複数社に登録したほうがいいと思います。
まとめ
- 人間関係がうまくいかないことへの悩みの本質は、人間関係がうまくいかないことで自己実現ができていないことへの悩み。
- 仕事の人間関係と普段の人間関係は違う。仕事の人間関係は「仕事の成果を達成すること」が目的。
- 人に好かれるためのコミュニケーションをとろうとするから人間関係にトラブルが起こる。
- 仕事に必要なのは好かれることではなく、信頼されること。
- 大切なのは、「相手の考えを理解すること」「自分の考えを正しく伝えること」。
- どうしようもなければ転職して人間関係をリセットすることもできる。
とにかく重要なのは、仕事の人間関係は「仕事の成果を達成すること」が目的で、人に好かれることではない、ということです。
ここを見失ってしまうと人間関係のトラブルが起こってしまいます。